CSAファームシェアのこと5

<CSAファームシェアのこと5>

現在キャンペーン中のCSAのこと
について“5”です。
今回は、CSAとそれ以外のメリットとデメリットについてです。
沢山あるので一つ。
CSAでの、わかりやすいといいますか、
細かいところで「B品』についてメリットとデメリット。
B品とともに若手農家さんと若手流通は、ともに刺激しあって、
ぶつかり合って、育てあって
もう本当に血と汗と涙で歩んできたので、
B品のことならいくらでも語れるのですが、
(奈良のCSAでは、その過酷な時期を経て
立派に?中堅農家と中堅流通が「まわして」います。)
その話は置いといて、
例えば、手が伸びて購入しようと思うB品と
絶対買いたくないB品があります。
季節によって、天気によって色々です。
ですので、同じ作物でも、良いB品が
安くたくさん買えてメリットになることもあれば
あまり良くないB品が安くなく
少ししか買えないデメリットに変わる場合もなります。
そういうややこしい側面はあります。
他にも細かいのはありますがまたいずれで。
今回は大枠のメリットデメリット箇条書き。します。
___
◯オーガニックを日常に取り入れる時。購入メリット、デメリット少し。
(買い物=次の社会への投票)
1、EAT LOCALやCSA
個人店、自然食品店、八百屋、ファーマーズマーケット、CSA。
※不便さ、品揃えがデメリット。面や底辺、目立たない部分で有機農業のレベルを上げれる。
 
2、取り寄せ ネット購入
カタログや、ネットショップ、企業や個人から直送。
※送料、コミュニティのなさがネック。鮮度やファン創出、スター農家創出がメリット。
 
3、直売所、スーパー
道の駅、直売所ビジネス、スーパーのローカルorオーガニックコーナー。
※持続的でない価格。買取制でなく廃棄、引き上げがデメリット。手軽さ、競争からの品質向上、品揃えがメリット。
 
4、オーガニック系宅配
外資やベンチャー系、自社宅配便。
※既得権やビジネス重視、本音と建前問題、地域の小規模や若手農業が入り込めない仕組みがデメリット。
品揃え、忙しい社会での利便性、資本力で環境問題をパワフルに改善がメリット。
安定のうち農家の育成もメリット。
 
どこに一票入れますか?
どんな風景が広がる社会にしたいでしょう?
 
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summer growing season
#farmersmarket
#farmstand
#csa
#farmshare
#nara

CSAファームシェアのこと4

<CSAファームシェアのこと4>
現在平地トマト爆発的収穫ということで、
キャンペーン中のCSAのこと
について“4”です。
つい力が入るので今回は閑話。

先日ファームスタンド定休日に、

定休日と知らず、

イタリア人の有機農家さん家族が来てこう言いました。
「今日は奈良市でオーガニックマーケットはないの?」
月に一度だと伝えると何故だ?と。
「週に一度は?イタリアでは毎日やってるぞ。」
「月末だけなんです。申し訳ないけれど。」
信じられないという感じで、、
「みんなスーパーマーケットに行くのか?」
「たぶん、あと安い直売所か大きなデリバリーです。」
かぶりを振って、
「わかった、俺は明日またファームスタンドにくるよ。」と。
すごい残念そうでした。
そのあとインスタグラムで、イタリアの自分の地域で
マルシェをしたり、栽培をしたり、ローカルショップで
販売している様子を見せてくれました。
その様子から、たぶん「主観」ですが
残念なのは、「それでは小さなコミュニティーが育たないだろう。」
「家族経営の小さな生産者がまっとうに増えていかないだろう」
と言いたかったのでなないかと。
「競争にさらされるだろう」というような話も、
もしかしたら続きにあるのかもしれません。
まぁ主観です。事実ではないかもです。
言語交換がうまくいっていない中なので、
不完全な発信ですが。
言語交換がうまくいっていても、
僕の方(ファームスタンド店主のこと)からは、
「これが現実です。」
としか言いませんが。
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CSAファームシェアのこと3

<CSAファームシェアのこと3>
 
現在キャンペーン中のCSAのこと
について“3”です。
今回は「CSAの基本」について食べ方、
受け取り方の手順です。
奈良近郊を中心に心の距離も大切にし、
有機小規模農家さん達が、
大切に育てた旬の地野菜詰め合わせ。
暮らしの基本にして頂きたい定期便です。

季節ごとに前払いで地野菜を購入し、安定的に家族経営の有機農業が続くことや、意思表示をし信頼関係を深め合う取り組みです。

 
◯ 手順 ◯
 
1、はじめに
 
季節野菜の詰め合わせ、セット便のシェアメンバーになる。
ファームスタンド(五ふしの草)かファーマーズマーケットにてお申し込みください。
シェアメンバーとしての暮らしがはじまります。
※ お試し便一回のお届け可能です
※ 収穫期途中からの参加も可能です。
 
2、セット内容を受け取る。
 
収穫内容をメールかFAXで事前にお知らせします。
※キャンセルや追加のご注文が返信する形で可能です。
※台所の状況、畑の状況どちらにも寄り添いたいと考えています。
 
3、野菜を受け取る。
 
受け取り方法は3通りです。
ファームスタンドの出荷日、月水、金曜日からご希望の曜日を選んでください。
毎週か隔週か選べます。
※現在毎週は水曜しか空きがありません。
※隔週便は金曜日しか空きがありません。
※月曜便は空きなしです。
 
Èルート配送。配達は17〜21時の間(200円〜250円)
É遠方の応援してくださる方との繋がりも大事。発送850円(夏場はクール代350円)
Êファームスタンドでピックアップ
 
4、お支払い。
 
3ヶ月の季節毎で精算です。
※季節の途中からでも回数に応じて計算します。
※Sセット2700円(税込)基本的に9種類。
※mセット3200円(税込)基本的に12種類。
 
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<豆知識2>
※ 2020年代もいろんな課題が横たわっています ※
〜あなたが有機野菜を購入する時〜
小規模有機農家さんや
独立系八百屋さん、
ミニマムなファーマーズマーケットの前に
ドンっと横たわる有機野菜を購入していただく時の課題のおはなし。
有機野菜を購入する際、
大手宅配企業から、発送、配達することが現代の主流です。
慣行野菜を購入する際は、大手チェーン企業や
中型・大型のスーパーマーケット、
直売所で購入することが主流ですね。
直売所でも農薬無しの「低価格」のものが最近では出会えます。
そのスタンダードに応じ、
ニーズに応じて、日本の有機農業も影響を受け変化しています。
いずれにせよ効率や利便性重視は、
年々より強まり、販売競争も熾烈です。
農家さんも直売所で価格競争に巻き込まれたり、
宅配会社さんたちの、
会員確保の競争のパイとなることもよくあります。
小さい新規参入の農家さん、
技術の未熟な若手農家さんには、
とても健全に働いて腕を磨いていくことが
(気候危機や獣害はおろか流通面においても)困難、
生きづらい状態です。
そうした先に何が起きていくか。
例えば、
消費者は昔、近くの商店街、個人商店から慣行農法の農産物を購入していました。
しかし今では大型量販店が誕生し、小さい個人商店や、商店街が地域から失われる。
ということは日本中でよく起きています。
有機農業界も同じ構造で、
より小さい場所は淘汰され、巨大な宅配会社や企業の独占状態となっています。
共存共栄は残念ながら基本なく、
小さくても存在できる、多様な世界に進めない状況です。
画一化された、より力のある強いところがものを言う未来へ。
「有機野菜を購入する環境」も加速しています。
この現実はこれからの有機農業にさらに影響を与えていきます。
持続可能か再生可能かよりも、
綺麗で安い野菜かを重視する傾向が強まります。
その売り方、買い方、栽培の仕方が可能なのは、
一部の人や企業だけです。
誰かにしかたどり着けない幸せ、食べ方、買い方は、、
本当の幸せ、食べ方、買い方とはいえないと思うのですが、
どうなんでしょうか。
 
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CSAファームシェアのこと2

<CSAファームシェアのこと2>
現在とまとキャンペーン中のCSAのこと
について です。
今回は「CSAの基本」について考え方です。
 
Community(コミュニティ)
Supported(サポーティッド)
Agricuture(アグリカルチャー)とも言われ、
馴染みがないので、ファームシェアとも呼ばれています。
 
私たちが暮らす地域の小さな有機農家さん。
心の距離が近く、農薬をぜんぜん使わないなど
地球想い農家さんたちを守るために、
心ある人が先払いで、
季節毎の野菜を購入する。食べ支える仕組みです。

持続的な生産ができるよう、地域に暮らす人、繋がりを持つ人たちで、その生産リスクやコストを分け合ったり、食べ支え合ったり協力することです。

例えば、天候不良や異常気象で生産量が少なくなったり、逆にたくさん収穫でき過ぎたり。例えば、収穫したものがB品であったり、とびきり美味しかったり。

そういうことをみんなで共有して、「豊かな世界」にしていけないか。

繋がりのある有機農業を「未来に育ててバトンを渡せないか」というものです。
作り手が、朝早くや前日の夕方などに収穫し、
協働の場へ渡す。
伝え手が仕分けや、一手間、二手間、時には三手間かけて台所へ渡す。
食べ手が、夜にお便りを読み、畑の風景をイメージしながら、
野菜と対話しながら料理する。
現代には不便でそぐわないかもしれませんが、
なかなかいい景色、いい循環ですよね。
<豆知識1>
※ 人口に応じたCSA、産消提携について少し ※
(産消提携→生産者と消費者が協力し、有機野菜を食べることを大切にするかたち。)
◯里山でのCSA
2~3件から複数の農家が、50件程度、多いときは100件以上の台所へ
発送、配達、あるいは畑にピックアップしに来てもらう。
規模が中堅になると大型宅配会社の傘下に経営の軸を置いて併用する場合があります。
 
◯地方でのCSA
生産者組合と流通が100~200件の消費者へ発送、配達、ファームスタンドや
ファーマーズマーケットでピックアップ。日々のゆりかごとして、
寂しい街場の風景を未来に残さないよう、
自然食糧品店や八百屋などの場所を作り、
ファーマーズマーケットが舵取りを行うケースが多いです。
 
◯都市でのCSA
複数の生産者組合と複数の流通が手を組み、
200件以上の消費者へ発送、配達、ファームスタンドや
ファーマーズマーケット、その他のピックアップポイントにてピックアップ。
心が通う半以上でしっかり拡大を抑制する。
(→抑制は、しないと食の地域自治が目的のCSAの道から外れ、
組織の維持運営など営利目的へと走ってしまうため必須です。)
 
 
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CSAファームシェアのこと1


<CSAファームシェアのこと1>
「CSAファームシェア夏便」
旬野菜のセット定期便)
特別キャンペーンのお知らせ!

いよいよ夏の本格的な農繁期。
NFファーマーズマーケットと

ファームスタンドより

耳寄りなお知らせです。

ファーマーズマーケット内での

「CSAお試しピックアップ企画」も好評でした。
現在、猛暑の中を経過中の
CSAファームシェア夏便。
 
連日35℃くらいが続く中、
地域の人大切な人に
食べてもらおうと、
マーケットと深いかかわりのある農家さんが
頑張って作物と向き合ってくれています。

いよいよ今週は「とまと祭り」(たくさん収穫始まったよ!の祭り)
の期間に入ったことに伴い、
特別キャンペーンを行います。

案外知られていませんが、
奈良近郊で暮らす時。
夏の小規模有機農家たちを思い、
食べ支える場合には、
一つの定番の流れがあります。

まず6月中~末から7月中は盆地の平野部の
小さな家族経営の有機トマトを食べます。
ここでは、写真の「米澤農園」さんのトマトです。
(マーケットの功労者)

そしてそこから、曽爾村の「畑のあかり」さん
(どこのマーケットでももはや常に人気の農家さん)と
南山城の「ハト畑」さん
(堆肥教授もされている昔馴染みのあたたかい農家さん)の
高原のトマトを8月9月中と、
うまく育てれたら10月ごろまで食べます。

今年も、トマトを農薬無しで心を込めて
栽培してくれている農家さんたち。

しっかり出荷が見込まれます。

先行して、米澤農園が現在最盛期に!
ということは
特別トマトキャンペーンやるしかないですよね。

で、特典です。
7月中にCSAファームシェアメンバーに登録していただいた方に、
今回特別に、トマト規格外のL品orLL品1キロをプレゼントいたします。
とは言いましても、もともと限りがある枠なので
先着で定員になり次第締め切ります。

奈良近郊では年々減少している、やさい作りに勤しむ、
小規模の有機農家さん、自然栽培農家さん。
失われてはいけないものをサポートする取り組み。
「CSAファームシェア」。

これから少しづつCSAファームシェアのこと
シリーズで発信しますが、
なかなか成熟した食べ方の仕組みです。
近頃のメンバー登録者さんは、
加工品は宅配会社。
こういう取り組みがあるなら、野菜はCSAで。
という風に使い分けてくれています。

1農園はもちろん、その農園と同じ志を持つ
複数の農園さんたちを同時にサポートしたい方。
 
地域や繋がりで小規模有機農業の底上げをご希望の方。

ぜひファームスタンド へDMか、
ホームページよりお電話、メールしてください。
どうぞ宜しくお願いします。

 
 
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summer growing season
#farmersmarket
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土を感じるミニマーケット

“ 土を感じるミニマーケット ” 夏  7/29

出店参加ゲストのご紹介です。
関西各地からの小さなミニマーケット。

のんびりした、おおらかな時間が流れそうです。

是非お越し頂いて、農家さんの仕事。農家さんを大切にした仕事に触れて感じて頂きたいです。

◯yanagimotostand (奈良)
かき氷ワークショップ
@yanagimoto_stand

◯nfこども会 (奈良)
こども向ワークショップ
@nara.foodshed

◯五ふしの草 (奈良)
@itsufushi

◯oyatsu somaya (奈良)
@oyatsu_somaya

◯Somi  sweet&coffee (奈良)
@somi_narakitamachi

◯tobiuocoffeeroaster (滋賀)
@tobiuocoffeeroaster

◯POW JAPAN (滋賀)
@protectourwintersjapan

◯実生 (滋賀)
@m_i_s_h_o___

◯slowfarm (兵庫)
@slow_farm

◯山の葉根 (兵庫)
@yamanohane

◯ありがとんぼ農園 (兵庫)
薪ワークショップ
@arigatonbo

◯maemukisuits (大阪)
@maemukidsbaby

◯kusati (和歌山)
@kusati.organicfarm

◯めぐるふぁーむ(奈良)
@meguru.farm

です!

___

7月29日(土曜日)夜のトークイベントに合わせて、
同日午後は、中之島バンクスのサーフ大阪前にて
“ 土を感じるミニマーケット ” 夏
も行います。

コンパクト、ミニマムで温かみ、オーガニック重視の取り組みです。

こども向けの薪割りワークや
人力かき氷作りワークなど予定していますので、
夕暮れには、各地域の農家さんの
課題や成功体験など小さく交換、共有できる時間にもしたいです。
是非遊びに来て下さい!

___

〈土を感じるミニマーケット  夏 -farmers market-〉

“心の距離が近い食べ物を”
環境再生型農業をルーツとしている「たべもの」を中心に集まるミニマーケットです。
こども向けの農体験や食べることを大切にした仕事に触れることを通じて、
自然と共生できる社会づくりの一助となることを目指しています。
生産者や流通などの作り手、伝え手と共に「土と共に生きる」ことについて感じましょう。

■日時:7月29日(土)13:30開始/16:00終了

14:00開始/17:00終了に
都合により変わりそうです。
改めてお知らせします。

■参加費:無料

■場所:パタゴニアサーフ大阪前
大阪府大阪市北区中之島5-3-56 中之島バンクス EAST棟

■お問合せ:
五ふしの草 TEL 0742-24-2807

■薪割りワークショップ 定員:なし
*お子様向けです。

主催:たべもの学校プロジェクト(都会で食べものの尊さを伝える草の根市民活動)
企画と運営、問い合わせ、参加者情報は五ふしの草のSNS @itsufushi


パタゴニア大阪との共同企画

 

農業の話をしよう  夏 -健全な土壌を育む農業を目指して- トーク&セッションイベント〉

オーガニックや自然栽培など、いろんな農業の話をしませんか。生産者を招き、暮らしの基本「食べること」を通して、地域の風土、生産、流通、消費の問題や課題に対し、どんなアプローチができるかを考え、学ぶ場です。

ゲスト:榊原一憲(奈良市・五ふしの草)@itsufushi
    岡村康平(朝来市・ありがとんぼ農園)@arigatonbo
    大森げん(朝来市・山の葉根)@yamanohane

photo 1枚目 : 岡村さん
photo 2枚目tanami tsukui : 大森さん

■日時:7月29日(土)19:30開場/19:40開始/21:10終了

■参加費:無料(要予約)

■場所:パタゴニア大阪
大阪府大阪市中央区南船場3-4-22東道ビル

■ご予約・お問合せ:
パタゴニア大阪 TEL 06-6258-0366

■定員:30名
*申込先着順で定員になり次第、締め切らせていただきます。

#patagonia
#パタゴニア
#パタゴニア大阪


【 マーケットの向こう側 】vol.2 ならまちパン工房okage  芝村勇哉 吉川もえ

NARAFOODSHEDと五ふしの草の共同制作で特別連載。

 

食べることを深く知り、考え、作り手や届け手、食べ手の思いを聞くことをテーマに、街のファーマーズマーケットやファームスタンドがガイド的に寄稿、連載するルポルタージュ「マーケットの向こう側」。マーケットや、地域の農家さん、関係する八百屋さん、繋がるいろんな作り手、食べ手の方々の裏側というか、奥行きに触れていただけたらと思います。今回はokageさん。ほとんどのパン屋さんが大手流通や直売所、スーパーで食材を仕入れる中で、足しげくファームスタンドに足を運ぶ稀有な職人さんだ。マーケットの設営や撤収にも非常に熱心な事務局オススメの真面目なパン屋さんです。

 

/ 聞き手: 三宅翔子 / 写真・編集: 榊原一憲

 


 

 

より自然に近いものを使うようにしています。

 

毎日食べるものだからこそ、体が喜ぶパンを届けたい。

JR奈良駅からほど近くにある、木のぬくもりが感じられる小さなパン屋さん。

小麦の美味しい香りが漂うなか、カンパーニュ、リュスティック、あんぱん、フォカッチャ…丁寧に作られたパンがきれいに並べられ、ついつい目移りしてしまう。

小さなカウンターからは、職人気質でどっしりとした安心感のある店主の芝村勇哉さん、可愛らしい笑顔が印象的なパートナーの吉川もえさんが出迎えてくれる。

 

 

ー なぜこちらのお店を始めようと思ったんですか?

芝村 色々理由はあるんですけど、単純に僕の体感的に奈良にこういうパン屋さんがなかったからです。

国産小麦を使ったお店はあるんですけど、未だにショートニングやマーガリンを使っているところも多いですし、有機酵母や有機小麦を使ったパン屋ってまだまだ奈良には少ないんですよね。

だから、原材料には特にこだわっていますね。

例えば、僕は子供はいないですけど、もし自分に子供がいたら、これを食べさせてあげられるか?とか。

あとは、自分のお店を始めたのは、僕自身が人と働くのが得意ではなくて、ひとりで黙々と働く方が合っているからというのもありますね。

 

ー 始まりから、芝村さんの内側から湧き出る原材料へのこだわりをひしひしと感じる。根っからの職人気質ぶりに消費者として安心感を覚えた。具体的にどのような原材料を使ってらっしゃいますか?

芝村 高いものというよりは、より自然に近いものを使うようにしています。

例えば、これは北海道産の有機小麦粉の臼夢です。臼で挽かれているので、臼夢って言います。

石臼で丁寧に引いているため、小麦自体の温度が低く保つことができ、酸化せず香りが高い全粒粉となっています。

あとは、ゆめちからだったり…。基本的に小麦粉は北海道産ですね。

同じく北海道産のライ麦粉も使います。ライ麦粉は、その土地の土壌を良くしてくれるそうです。それを使うことで、また良い形で畑に還元できたらなぁと。

北海道産以外にも、奈良県の天理の松本さんが作る特別栽培の全粒粉も使っています。松本さんは野菜はほぼ全部無農薬で育ててらっしゃる方で、小麦もあと2〜3年で有機小麦に変えたいとおっしゃっていて、応援する意味で使っています。やっぱり小麦を有機で作るのは、難しいみたいですしね。

小麦粉以外もこだわっています。例えば、洗双糖は種子島産のもの、小豆は北海道産の特別栽培のものです。

 

 

 

 

ー 先日北海道まで足を運び、畑を見て来られたという芝村さん。原材料一つ一つ、かなりこだわって選ばれている。若かりし頃から、パン職人として歩んでこられた芝村さんが、どのような経験を積んで、今のかたちに近付いていったのかが気になる。

芝村 店を持つまでは、いろいろな店で経験を積んでいました。大体5店舗ぐらいですかね。

桜井のパン屋、神戸のホテルのベーカリー、カフェの立ち上げを手伝ったり、声をかけてもらって、茨城県の道の駅のパン屋で1年ほど店長をしたこともあります。

途中からは、自分の店を持ちたいという目標もできていました。

 

ー 伺った経歴では、今こだわられている自然に近い原材料を使うこととの繋がりをそこまで感じないのですが、原材料へこだわるきっかけになったものは、何かあるのでしょうか?

芝村 ホテルでは、やはり原材料にすごいこだわっていたんですよね。その時には有機小麦でなく、国産小麦を幅広く使っていました。臼夢でお世話になっているアグリシステムさんもその中の1社です。

あとは、茨城県の道の駅で働いていた頃に、仕事の忙しさもあり、コンビニ食ばかりを食べていて、体調を崩してしまったんですよね。食事だけでなく、睡眠とかもあるんでしょうけど。そこで、食事を改善していったら、身体もましになってきたんですよね。その時に、やっぱり身体のためには、ナチュラルな自然に近い食べ物の方が良いと思ったのが大きなきっかけですね。茨城県の道の駅で働いたことは、大きかったですね。

 

ー その下積み時代に、今でも芝村さんが尊敬し、目標としている人物とも出会っている。

芝村 兵庫県のメゾンムラタの村田さんです。前に研修で行かせていただいたことがあって。パンへの熱が誰よりもすごい!いつもパンのことを考えてるんです。そして、パンの話をしている時は、ちょっと目がイッてる。笑

パン職人として、本当に尊敬します。そして、いつも誰のことでも、全部受け入れてから返してくれる、その器の大きさも尊敬しています。

 

ー 村田さんの器の大きさを象徴するようなエピソードがあったそうだ。

芝村 僕が店を出す前、ちょうどカフェの立ち上げの仕事をしていた頃、一度パンを焼いて村田さんに持って行ったことがあるんですよね。

めっちゃショートニングを使ったパンをね。笑

今考えたら有り得ない話ですけど。笑

ショートニングを入れると、歯切れの良いサクサクとしたパンになるので、その頃の僕はそれが良いなと思っていたんです。

その時は、村田さんはいいね〜と言って、食べてくれました。

それから数年後、店をオープンしてからお会いした時に、当時のショートニング入りのパンを覚えていてくださり、あれを食べた時は正直ぶっ飛ばそうかと思ったよ、と当時の気持ちを教えてくれました。笑

変わったね〜と言ってくれたんです。

 

 

 

美味しい、は後からついてくる

 

ー 原材料へのこだわりは、お客さんへの想いからくるものも大きい。

芝村 僕自身、美味しいパンを出してるという感覚は特にないんですよね。美味しい、は後からついてくると思っているので。

それよりも、原材料にこだわり、お客さんの身体にスッと入るものを。継続的に食べてもらえたら嬉しいなと。

その想いの方が、大きいです。

結果的に、お客さんに美味しい!と言ってもらえると、あぁそうなんや!となりますね。笑

 

ー さっきいただいたあんぱん、すごい美味しかったですよ!笑

芝村 ありがとうございます。笑

 

ー そんな芝村さん。お店をオープンした頃から、パートナーでもある吉川さんと二人三脚で歩みを進めている。

芝村 僕たち、14歳差で年が離れているんですよね。なので、仕事をして行く中で感覚が違う。

僕の年齢になると、諦めが出てくるんですよね。この程度で良いかな、みたいな。

でも彼女はまだ若いので、僕にはない発想があったり…単純に僕ができないことをできたりもするし、とにかく得れるものが多いんですよね。

そして、仕事に対する姿勢が似ている。初めて彼女に会った時は、仕事の話で意気投合し、気付いたら2時間ほど経っていました。笑

あとは、彼女の人懐っこさにも助けられています。時々、彼女がお店に立っていない時は、常連さんから今日は彼女はいないの?と、言われたりします。笑

僕じゃだめですか?と言ってみたり。笑

 

ー 吉川さんにも話を聞いてみた。吉川さんは、もともと食文化に興味があり、その後調理師を目指していたそうだ。原材料にこだわりを持ってらっしゃる芝村さんへ何か一言ありますか?

吉川 私は元々多方面のことに興味があるんですけど、彼は一つのことを深く追求していく人で、すごいなと思っています。

私は、広く浅くタイプ。彼は、狭く深くタイプ。

今も原材料へのこだわりはすごいですけど、もっともっと(さらに)食材とか追求していってくれたらいいなと思っています。笑

 

ー 笑顔でそう答えてくれた吉川さん。その力強い言葉に二人の強い信頼関係を感じた。二人の関係性は、普段どんな感じですか?

吉川 店を始める時、すごいわがままな話なんですけど、私自身、サポート役になるのは嫌だったんですよね。笑

年齢的にもまだまだ何をしようかという時に、すぐサポート役をするのに抵抗があって。笑

ただ、彼はそこもわかってくれていて、むしろそういう価値観で入っちゃだめだよ、と言ってくれたんです。

二人しかいないんだから、意見を言ってくれなきゃ困る、と。笑

だから、二人でしっかりと意見を出し合って進んでいます。

 

ー お互い一人のパン職人として、あくまでも同じ目線で対等に意見を交換し合う。時には、喧嘩もするそうだ。お二人が凸と凹で、補い合いながら高めていく。年齢を超えた強い絆を感じた。

日々歩みを進めるなかで、今何か感じていることはあるのでしょうか?

芝村 誰の為に、何の為にやっているのか?と、ふと立ち止まることがあります。

正直パン屋は沢山あるし、世の中にパンは捨てるほどある訳で。

そんな時は、今使っている原材料の生産者さんのこと、これを使うことで生産者へ還元できるなら良いかなと思ったりします。

もちろん来てくださったお客さんへの想いもありますし。

お客さんへも原材料について、話したりします。小麦粉だけじゃなく、例えば使ってる平飼い卵の話なんかもします。

常にフラットでいたいなと

 

ー パン職人は、普通作り手として、裏方のことが多い。しかし、芝村さんのお店はお客さんとの距離がとても近く感じる。芝村さん自身も、それは良いなと感じているそう。

芝村 全然知らない人に売っていたら、きっと何してんねやろ…となるなぁと。

それやったら、会社員で良いかなと思います。笑

 

ー そんなお客さんのお声も、積極的に取り入れてらっしゃるんですか?

芝村 僕はお客さんの声はあんまり聞かないんですよ。笑

よく、こんなパンがあったら嬉しい!というお声もいただくのですが、自分が作りたくないパンは作りません。笑

素材に意味があって作るパンだったら、新しいのを作るのは良いんですけど、意味のないパンは作っても仕方ないと思うので。

 

ー ここでも芝村さんの人間性が溢れ出る!では、お店をしていく中で、葛藤を感じることはありますか?

芝村 今は、やっぱり原材料の価格が高騰してきていて、正直金銭面で悩むことが多いです。

有機のものを使うと、どうしても利益が出ていくので…。

例えばこの有機小麦粉は、一般的な小麦粉の3〜4倍の価格なんですよね。

良い食材を、どうしたら量を減らさずに、そのままお客さんへ提供できるか、お客さんにはなるべく負担なく買いやすい価格で提供したい…その間で葛藤することが多いですね。

あとは、全て手作りで作っているので、自分の中で出来の悪い時のパンをお客さんに出す時はしんどいですね。

どうしても酵母が変な動きをすることがあったり、自分が疲れてる時はちょっとした作業の時間のズレが出てきて、発酵が遅れたり…。

自分の体調は整えておかないといけないなと思います。常にフラットでいたいなと。

 

ー お客さんへ良いものを届けたい。そのために、自分が出来ることを日々追求する。芝村さんのどっしりと安定した言葉からは、お客さんへの熱い想いを感じる。では、今後どのように進んでいきたい、など何かありますか?

芝村 少しずつランクアップしていけたらなと思っています。

まだまだ自分の中で、クオリティが低いと感じる部分もあるので。

あとは、年々サイクルが速くなっているのを実感していて。

どちらかというと、僕より手前の生産者さん。その方たちへ、何ができるのか?を考えつつ、動いていきたいなと思っています。

お客さんの声よりも、もっと生産者の声を拾っていって、生産者へちょっとずつでも還元していける流れを作っていけたらなと思っています。

さっきのライ麦粉の話じゃないですが、使うことで還元していけるならそれが1番良いかなと。

 

 

 

 

生産者があっての、自分たち作り手。その先にお客さんがいるからこそ、生産者の為に何ができるかを考える。その流れをより強く作っていきたい。そんな芝村さんの目標を聞き、マーケットの目指している流れ、生産者と消費者、作り手…その関係性をしっかりと繋ぎ、育てていく大切さを改めて実感させてもらえた。

 

 


 

編集後記)

学生時代に野球をされていたそうで、大柄な体格から、
おそらく頼りになるスラッガーだったんだろうなと会うとよく想像します。
野球でいうと、プロのレギュラーをはれるようになる選手は、
一軍に定着できずにいる選手をあっという間に凌駕しレギュラーを取ってしまう、
とよくいいますが、僕の場合もokageさんにはその例えがしっくりくる。

奈良は観光の街なのもあってか、地域の加工業者、料理人は
そこまでオーガニックに業務を寄せなくて良いというか、
少し取り入れればいいという暗黙の了解事項があるんだなぁとずっと感じてきたし。
そのことよりも、とにかくこの街、この地域では奈良産であるかが重視される。
もしくは自分で栽培したり収穫していることの方がステータス、宣伝効果につながりやすい。

街場で有機野菜を販売してる身としては、
これまでそんな風に感じることの方が率直に多かったです。

特定のお気に入りの農家さんだけを狙って仕事に取り入れるケースも多く、
全体の地域として有機的な文化水準が上がっていくイメージはあまり持てずにいました。

もちろん原価コストやニーズに沿わなければならない、ということが大きく横たわるので、
本音と建前の問題があり、本音で本質的な農業(有機農業や自然栽培)を
地域で高めようとすることは難しいし、そこにアプローチしないのは仕方ない、
というのはよくわかります。

ただレギュラーをはるような人はそんなケチくさいところにはいないみたいです。

まず本音、本気で生産者への責務として、地域や心のつながりのある本質的な農業と付き合うと
最初からすでに「決心している」。いきなりそもそもが違うといいますか。

そしてその(責務の)上、そのライン上に自分の仕事を乗せていき、
そこから(その後に)葛藤を始める。
そもそものボーダーラインといいますか、最低ラインを上げてくる。といいますか。
葛藤の場所が違う。従来と違う職業倫理といいますか(良し悪しではなく)(いろんな立場もあることですし)。

でもそうすると、これは本気の人が出てきたなと、地域の食の水準は上がりはじめるな。と僕の場合は思うんです。
自分の店がどうこうなるとは違うベクトルで、狭い自分の意識の中ではなく、
お互い同士の関係性の中で、スタンダードが動き出す。といいますか。
生産者も、僕のような流通もそういう人が出てきてくれると、とにかくスイッチが入る。
それは多分素晴らしいことなんだろうなと。(感覚的な話ですみません)
今回の話を聞いたり、頻繁に食材を仕入れるために「オーガニックの現場」に立つokageさんを見ていて、
でもやっぱりそう思うのです。

榊原

 

 

 

 


NFファーマーズマーケット

NARA FOODSHED FARMERS MARKET
5月の風景。
自己革新前のマーケット風景です。

自己革新というほど大げさなことはしませんが、
折々に自らを省みていくことは良いことですし。
頑張ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


大阪本

大阪本。
「やっぱりおいしい大阪」
掲載していただきました。
(レンバイが)
しっかり取材していただきました。

京阪神エルマガジン社さま、
いつもいつもいつも本当有り難うございます。

すごいいい感じに
仕上げていただいて、
わかりやすく
まとめて下さってます。
好きなことばかりお話ししてますが、
結構いい事が言えてます。
(厚かましいですが、)
(すぐ抜け気味の配置転換のくせにすいません)

発売してすぐで、
開催場所の所有者、ホストが、
五ふし→オーケストラさんになりますが、
一応スタイルが変更することがある旨、
記載しておりますので、
ご了承いただきたい。

北極星のオムライス
懐かしいなぁ。
ハイセンスな方向ばかりでなく、
シックにも
ディープにも
コミカルにも
スッキリ新たな今の大阪が見れる。
良いムックだと思います。
尊敬する編集者さん。
@mdrngs79
不思議に力感のない捉える力、
情熱、
すごみのあるバランス感覚、
センス、品の良さが出てますね。
見応えがあります。

#オーガニック連売所
#レンバイ大阪
#レンバイ阿倍野
#やっぱりおいしい大阪
#大阪本